悲しい格差1

 難病や特定疾患になると、いつ発病したかが必ず話題になる。私の場合は約六年前に病名が確定したので、中年になってからの発病と受け取られる。しかし、病名が確定した時期なので、発病したのはいつか分からない。

 病気のコミュニティーで、「青春時代があったからうらやましい」「私なんか子供の時からよ」「生まれた時からよ」…という「小競り合い」になることがある。作家の三島由紀夫の言葉であるが「人は幸にも不幸にも嫉妬する」という一節がある。言い得て妙だ。健康な人に嫉妬し、自分より重病と思われる人に対し嫉妬している。「闘病の人とは友達になれない」と忠告されたことを思い出す。

 私の場合は、「もう、こどもを産んでいるからいいじゃない」「旦那さまかいるからいいじゃない」「親がいるからいいじゃない」「歩けるし、身体が曲がってないからいいじゃない」「笑える元気があるからまだいい」「震災に遭ったうえ、発病した人がいて気の毒だ」「死なないから良いじゃないか」その他、ありとあらゆる人から、医師から、知人から「もっと不幸な人」と比べられた。その都度、説明せず、「そうですね、大変だったんですね。私は幸福な方です。」と応じているネットで不毛な自己主張をして、自分のサイトを自分でだめにしたくない。意見が違うからと怒ったことはない。クレームの時は、出来るだけ意見に沿うようにしている。個人的、家族の都合に於いては、そもそも、親に理解を求めたことがないし、これからもしない。つきあいもない。発病前には時々の行事などに会ってはいたが、発病後、「治らない病気になった」と知らせてから、誰も来なくなった。

 
 Mon, December 12, 2016 18:20:18  ameba,1