もらっていいのか?

 ベッドの上で身動きさえとれなかった、去年の私。ただ横たわっていることは難しく、ぴくぴくと痙攣したり、風が吹いても、シーツに触れても痛む全身と・・・市役所、保健所、県庁に電話しても相手にしてもらえず、飲み食いもせず、歯も磨けず、体も拭けなかった日々・・・やっと、市の福祉相談員さんに来てもらったとき、生活の手助けを受けるために障害者手帳を申請してヘルパーを頼むしかないと言われました。
 手帳は紆余曲折を経て、昨年の十二月に通知が来ましたが、その後ヘルパーは来ませんでした。相談員さんが手続きをしてなかったので・・・
 社会福祉協議会の代表が来たとき、必要な書類を忘れてきて、ぷっつん。
社協の事務所と、市役所に車いすで出向き、いつになったら援助されるのか、聞きました。社協には断りを入れて、市役所には、もう何もいらないので、手数料を返して欲しい旨、はっきり伝えました。
 後に、お二人が慌ててきましたけれど、私はもう福祉はいらないとおもいました。福祉は、必要なときには間に合わない。福祉は恩着せがましい。福祉は、お役所仕事。

 腹立たしくてストレスを感じると体が・・・

 病院とお役所を頼みにすると、気持ちが傷む。

 お役所を当てにしなくなって「すっきり」、となったあとで、一通の封書が来ました。障害者基礎年金受給の知らせでした。

 市役所に知らせたら、相談員さんから電話が来て、用事を尋ねられました。年金係の人に聞いたのでもういいのに・・・完璧に私は、相談員さんに嫌われました。この市にたった一人の相談員さんなのに。

 もっとぺこぺこして機嫌をとるべきだったかも知れないけれど、必要な援助はすべて「これは一度しか使えないから」というパターンで引き延ばされる。朝起きたら、蒸しタオルで体を拭いてくれる人が欲しかっただけなのに、一年半もかかってまだ手続きさえできていないことに、がっかりしちゃったのでした。
 私だけの車いすとか、電動ベッドの貸し出しなんて、いらないのに、「申請できるのは一度だけ」って言われても、ホームセンターで購入した車いすがあるし、電動ベッドなんか、体を起こしたら、たぶん、ベッドからずり落ちていたでしょう。電動で背もたれになるベッドは、ある程度体を支えて踏ん張る力が無いと使えません。私は数年前に手術後、病院の電動ベッドにもたれてずり落ちて、貧血で倒れたことがあります。

 「一度だけ」という条件があることで、公費の出費を抑えるのか、「公平」という意味なのか、よくわかりませんが、二度も三度も役所に「得する」助成を申請するひとは結構あるようです。

 私にとって、一度だけでいいから「今欲しい」体の状態のとき、結果的に公的な援助は受けられませんでした。手帳が出たときには、α県まで往復6時間の高速道路使用も最後になっていて、・・・それでも、この頃体の復調の兆しが出てきたので、今まで助成された半年分の医療費って、返さなきゃならんのかなあ、とおもっていました。

 時々ある・・・「歩けるのに車いすをつかって、不正に助成を受けた」というニュース。そりゃ、私にも該当します。退院したときは、障害者一級程度の状態だったのですが、いまは歩けるんですから〜

 そもそも、私の場合、車いすに乗り続けるのが難しい。同じ姿勢で体を支えていることができません。それ以前に、分厚い低反発クッションで支えないと座れないぃぃぃ

 飲んでいる薬の効果か、時期が来て回復してきたのか、わかりませんが、痛みは、かなり軽減し、膝の関節と指の関節の痛み、座ると重みを支える関節部分の異様な不安定感としびれは残っています。

 大学病院で、医師に「痛いだけでは障害者申請の診断書は出せない」と言われたことがあります。そんなこと言われても、生活を助けてもらうには手帳が必要でしたが、うちの県で、その時点では、私はたぶん詐病あつかいだったとおもいます。

 訪れた医師のすべてが違う病名を言うし、相手にしてくれない医師もいました。いまだって、自分でも、自分は病気のふりをしているんだと錯覚することがあります。そして、α県のセンセにASと診断されると、地元に帰ってきても、どこの医療機関からも拒否されてしまいます。

 基礎年金になったのは、障害がでたきっかけが「十二歳の時の交通事故」だから・・・未成年のときに発病した扱いだと「基礎年金」になります。親に保護されている年齢なのです。

 手帳は来年の誕生月、年金は3年後までの期限があります。続けて申請し続ければ、老人福祉に移行するまでは助成が受けられます。
 が、私はもう、申請しません。見た目が健康そうで、血液検査にも異常が出ない、県内に私の病名を知る人もいない。誰が3年後に診断書を書くのでしょう。

 相談員さんは、「土岐川さんはお金持ちだからいいかもしれないけど」(傷つく言い方)
病気と今後のことを考えて、申請した方がいいとのたまいましてーーー でも、相談員さんも役所も病院も、私のこと詐病だとおもっている気がしてきました。

 こんな、マイナーで、医者も知らんような病気になって、不正に年金をもらったことにされて、罰金とか返金とか、刑事事件になって、ニュースに出たりとか、なんか、そんなことになったら、この病気を背負って、責任をとるのは無理なので、年金が給付されても、使わないで貯金したまま、「もしも」のときに備えます。