りんご

うちには林檎の木が三本ありまして、家の裏側、南西の角に植えもはや四、五年です。移り住んで十年余、林檎の苗を買った頃には、土のある場所がなくなってしまって・・・日当たりが好きな樹木は東南角地が良いんですけど、場所が…ということで、西隣のおうちの東南角地、排水の側溝境界線をまたいで、西南は隣家の東南角地。 

なるべく隣のおうち、西と南には家が隣接しているのではみ出さないように気をつけています。山中に道を作って、両側に二十数件建て売りが並んでいる、見渡す限り棚田と針葉樹だと思ってね。あまり書く、写真を載せると、以前のようにグーグルの衛星写真で場所を特定する人も出てくるのですが、もうそうなってしまったのでいまさら抵抗しない。 

で、東京、名古屋、大阪のビル群を見ていると、全面灰色、コンクリートジャングル、地価高っ。親がそういうところに家でも建ててくれていたらなあ、とか思ってしまうわけです。もはや相続税が支払えない。限界集落に嫁ぎ、転勤族となり、買い物や医療のことを考えると、少しでも交通の便の良いところ、そして私たち家族でも支払いできる価格、となると土地価格は低く、中古の格安で、車で移動できる立地・・・いくら岐阜県の僻地でも、駅前商店街のあるような場所は買えません。価値以上に高い。持ち主の価値観は都会の人よりもプライドがあるかも。 

そういうわけで、針葉樹林に住んでいると、やたらと落葉樹が恋しいの。 

なにを植えてもほったらかし。私の健康ではそれほど手間は掛けられません。でも林檎やブルーベリー、さくらんぼ、薔薇、ハーブなどを組み合わせて、日向と半日陰と日陰、という生態系を作れます。田畑はなくても、庭を一週する花壇を作り、北向きに育つ樹木、南向きが好きな花、庇が必要な花。 

そうして沢山出来てしまった林檎は、全部放置すると、木の幹から傷んでいきます。樹皮の下を血管のように流れる栄養がとどかなくなり、葉が落ちても、枝が枯れそうでも、木の実を育てようと力を尽くす・・・まことに気の毒だとは思うのですが、一枝に一つ程度に木の実を減らします。途中でもがれる気の毒な林檎たち。